瓦屋根の葺き替え及び、屋根下地の修理

大屋根の瓦葺き替えです。

寺町台の社寺の多くは、建築当初は石置き屋根でした。

その後、明治後期から大正期にかけて屋根をかけなおし、現在の瓦屋根になっています。

本性寺も同様に屋根を掛けなおしており、現在の屋根の下には昔の屋根の痕跡も残っています。

瓦下ろし

屋根の面積が大きいので、下ろす瓦の枚数もかなりの量になります。

瓦のほとんどが、大正期のもので

能登の瓦と加賀の瓦が混じって葺かれています。

屋根下地

コバ板葺きという、木の薄板を三枚重ねにして葺いてありました。

一部張り替えた箇所もありましたが、ほとんどが大正期のものと思われます。

コバ板

取り外したコバ板です。

薄い材料のため、解体時に割れることもあります。

長さは450mm程度。手割のものと、削ったものがありました。

屋根下地

コバ板の下は、小舞と垂木です。

小舞もコバ板同様、大正期のもの。

垂木は、古い材料を転用して使われていました。おそらく明治以前の屋根垂木だと思われます。

小舞に使われていた材料の中には

卒塔婆も転用(?)されていました。

お寺の屋根や天井裏でよく見かける材料です。

お寺に残された記録から、どなたのものかまで判明しました。

修理後屋根下地

屋根の下地を修理した後は、

一般の住宅同様にアスファルトルーフィングを敷きます。

文化財の修理といえども、屋根の防水はしっかりと行います。

瓦葺き

新しい瓦が葺かれます。

正面側は北面のため、古い瓦を葺くのは避けて背面に葺きなおします。